2025年06月20日
COCOSA 2025 SUMMER/愛、台湾
愛、台湾(竹村 美波/美豆花/飲食店店主)
その味は、格別だった。
台湾と「豆花(トーファ)」との出会い。
みんなに知ってほしいと思った。
誰でも食べられる場所がほしいと思った。
その気持ちに正直に、まっすぐに。
「好き」がすべての原動力。
たくさんの人にこれが
伝わっていきますように。
竹村 美波
(飲食店店主/美豆花)
Creative:Keitaro Hamakado(@keitaro_hamakado )
Design:apuaroot
Photo:Yoshiko Otsuka(@mason5 )
Movie:Haruki Anami(@harukianami )
Model:Minami Takemura(@mei_toufa )
interview
― そもそも台湾に興味を持ったきっかけを教えてください。
最初は本当に気軽なものでした。友達と「旅行でも行ってみようか」と話して、初めて訪れたのが台湾だったんです。でも、現地に着いた瞬間から、どこか自分に合っている空気を感じました。食べ物はどれも美味しくて、街の喧騒やエネルギッシュな雰囲気にも惹かれました。
それから頻繁に台湾へ行くようになり、「いつか住んでみたい」と思うようになって。コロナ前に語学留学という形で長期滞在を実現させました。毎日現地の美味しいものを食べる生活は、自分にとって最高の時間でしたね。
― 特に心に残っている台湾の食べ物はありますか?
「豆花(トーファ)」との出会いが自分にとっては象徴的でした。日本にもありそうな、馴染みやすい味なのに、台湾で食べると全然違うんです。特に真夏の台湾の暑さの中で、冷たい豆花を食べると、体の芯から癒やされるような感覚があって。
豆花は豆腐のような優しい食感で、小豆やピーナッツなどのトッピングもあって、甘すぎない優しい味わいが特徴です。飽きがこなくて、毎日でも食べられるんです。それ以来、豆花の虜になってしまいました。
― お店を始めたきっかけは?
もともとは全く「お店をやろう」とは思っていませんでした。ある日、友人のお店で開催されたイベントに誘われて、試しに自分の作った豆花を出したのが最初です。思っていた以上に好評で、それをきっかけにイベント出店や間借り営業をするようになりました。
約2年間、そのスタイルでやってきましたが、イベントだと時間や場所が限られてしまう。もっと自由に、いつでも来てもらえる場所が欲しいと思うようになり、お店を持つことを決めました。
― 実際にお店を始めて、どれくらいになりますか?
2022年に開業して、もう2年半ほどになります。最初は手探り状態でしたが、おかげさまで少しずつリピーターの方も増えて、最近では地元の方だけでなく、台湾の方も来てくださるようになりました。「本場の味に近い」と言っていただけると、本当に嬉しいし、自信にもなります。
― 今回の特集テーマ「等身大」について、どう感じられますか?
とても共感できます。お店を始めて強く思うのは、「無理をしないこと」の大切さ。自分自身が楽しんでいるという感覚を持ち続けることが、結果的にお客様にもその空気を伝えることになると思っています。
台湾にたまに遊びに行ったり、現地の空気を感じてエネルギーをもらうことも、私にとっては大切なルーティンです。楽しみながら、自分らしく続ける。それが私の「等身大」なんだと思います。
― お店を続ける中で、大切にしていることはありますか?
「目で見る情報だけじゃなく、実際に体験すること」を大切にしています。今はSNSでたくさんの情報が手に入りますが、実際に足を運び、味わい、空気を感じてこそ得られるものがあると思うんです。台湾留学での体験も、自分にとっては大きな原動力になっています。だからこそ、お店を通じて、お客様にも「台湾を体験してみたい」と思ってもらえたら嬉しいですし、それが私の役割なのかもしれません。
― 今後チャレンジしたいことがあれば教えてください。
現在、豆花だけでなく「台湾の朝ごはん」も提供しています。豆乳をお酢で固めたスープ「鹹豆漿」や、黒米ともち米のおにぎり「ファントァン」、クレープ風の「蛋餅」など、まだ日本では馴染みの薄い料理ですが、台湾ではとてもポピュラーです。
今後は、ランチセットなど、もっと幅広く台湾の食文化を紹介していけたらと思っています。食を通して文化を知り、興味を持ってもらえたら嬉しいですね。
Video